DEPAKに魅せられた“抗酸化オジサン”のブログ

魚の〆(締め)方と熟成方法について

こんにちは!抗酸化オジサンです!

特に日本の料理において、魚介類の熟成は日本の歴史の中で育まれた鮮度を保つ保存技術です。魚も牛豚鳥などの畜肉と同様に魚肉の部分は筋肉なのです。よって、畜肉同様に捕獲直後よりも筋肉のタンパク質を変性(熟成)させることでうま味が増します。但しその熟成の良し悪しは、魚の締め方が大きく影響します。以下に、魚の締め方と締め方に伴う熟成・保存方法を紹介します。

魚の〆(締め)方

氷〆(こおりじめ)

方法

魚を氷で冷やしながら数日間保存します。内臓を取り除き、適切に処理した魚を氷とともに密閉容器に入れて保存します。

特徴

氷で冷やすことで、衛生的に鮮度を保ちながらATPの消費を進め、熟成に向かわせます温度が低いため、腐敗のリスクを抑えつつ、酵素の働きによってタンパク質の変性が進み魚の旨味が増します。

ポイント

氷〆にした魚は、生のまま刺身や寿司に使われることが多く、熟成により風味が豊かになり、また低温下によりATP(アデノシン三リン酸)の消費が早まり、食感は柔らかく、滑らかになります。

活け〆(いけじめ)

方法

脳にピック(千枚通しなど)を刺して即死させ、尾を切って血抜きします。

特徴

魚が暴れて打ち身になることや、ATP(アデノシン三リン酸)の消費を抑え(遅らせ)、また筋肉に乳酸がたまることを防ぎ、身の劣化を防ぎます

ポイント

血抜きは海水と真水の中間ぐらいの濃度の水(1〜2%食塩水)で行うと良好です。血をしっかり抜くと臭みもバクテリアも抑えられます。

神経〆

方法

活け締めの後、背骨沿いの神経に専用ワイヤーを通して神経を破壊します。

特徴

活け〆の効果に加えて、末梢神経への動きを抑えることで更にATPの消費を抑え細胞そのものの活性(元気)度を維持します。しっかりした食感と熟成を同時に行うことが可能です。

ポイント

端的に言えば活〆の進化したやり方と言えます。ATPの消費を更に抑え、旨味の増加と鮮度保持が伴います。鮮度を感じる食感がありながら、旨味が高いので高級魚などが多く、産地から高級店への長距離輸送も可能となります。

明石〆(地域技法)

方法

魚を釣った直後にエラと尾をカットして、バケツなどで泳がせながら徐々に血抜き(放血)を行います。

特徴

生け〆のさらなる進化と言える手法です。魚が落ち着いてから放血により死ぬため、ストレスが少なく、活け〆以上にATPの消費を極端に抑えることが出来ます。関西など鮮度を感じる身の張りを珍重する地域性(食文化)が生み出した技術と言えます。さらに、当日の朝の漁の魚を昼に競りを行い販売することで、より鮮度の高い魚を流通させることが出来ます。この昼に行う市の魚のことを昼網(ひるあみ)と言い、活きの良さや鮮度を伝えるブランドとなっています。その為の伝統的技術と言える締め方です。

ポイント

昼網及び明石〆は、単なる流通の時間効率だけではなく、「魚介類の命を最大限に活かす」という文化と哲学を技術として培い、大阪や神戸を中心とした関西圏で流通しています。

ご参考:最新最上の締め方(抜群〆)2025年現在

ブランド名称

「抜群〆」は「つる一」の代表の鶴谷氏により考案され、鮨店はもとよりあらゆるジャンルの名シェフ、名料理人からの指名注文が入る最新最上の締め方と言えます。

方法

先ず、脳から脊髄への神経を破壊し、さらに神経〆のワイヤーでの処理を行い、脊髄から末梢神経へのシグナルを防ぎます。この時点では生命としての死を与えず、脳と心臓と鰓呼吸は続けて生きています。穏やかにストレスのない状況により、ATPの消費を限りなく少なくした後に、そのままそっと鰓と尾をカットして心臓のポンプの力を借りてしっかり放血し、生命としての死を穏やかに与えます。ここで特徴的なのはストレスがほぼ無いままに死を迎える為、血中の酸素の飽和量が少なく、鮮やかな明るい血(まさに鮮血)が放血されます。結果として、明石〆よりも更にATPの消費が抑えられ、細胞活性度(元気度)を維持しながら、熟成をしっかり導ける為、 旨味を安全に引き出すことが出来ます。

特徴

活け〆の鮮度と旨味(熟成)を伴うという良さに、さらに生物学的に正しいアプローチである神経〆や明石〆の良さ(生細胞活性/バイアビリティ/ATPなどを長く存続させ、また維持する)を更に改良した技術です。明石〆の美味しい時間を長く使え、「魚の命を最大限に活かす」という文化と哲学を継承しており、この技術の普及が期待されます。

ポイント

美味しさ(熟成)と鮮度維持が伴えるので、高品質なまま、熟成保存が出来ます。初めて抜群〆に出会った方は、その鮮度維持と熟成、そして美味しさに100%驚かれます。

その他の一般的な保存(熟成)方法

一夜干し(いちやぼし)

方法

魚を開きにして塩水に漬けた後、風通しの良い場所で一晩低温乾燥させます。低温乾燥することで乾燥時の酸化を抑える伝統的手法なのです。

プロセス

塩が魚の水分を適度に引き出し風味が濃縮されます。また、乾燥により保存性が向上します。

特徴

一夜干しにした魚はうま味が増し乾燥によって保存性を高め、味も引き締まり、まさに美味しく保存できます。焼いて食べるのが一般的です。

昆布締め(こんぶじめ)

方法

魚の切り身を昆布で包み、冷蔵庫で数時間から数日間置きます。

プロセス

昆布からうま味成分であるグルタミン酸が魚に移り、魚自身のうま味と相まって風味がさらに深まります。また、昆布が余分な水分を吸収することで、魚の食感が引き締まり保存性まります

特徴

昆布締めは日本料理でよく使われる技法で、魚のうま味を強調し、より深い美味さとなる味わいに高めることができます。

まとめ

これらに限らず熟成は、素材をより美味しくするための伝統的な技術であり、それぞれの方法には長年培われた独自の利点と良い特徴があります。そしてその技術は今も進化し続けています。

DEPAKの活用

DEPAK(デパック)を用いれば、様々な熟成に伴うリスクを抑え安全で安心な熟成が、しかも手軽に可能となります。

DEPAKによる熟成では、
バクテリアが増えない0℃以下で素材を凍らせず熟成が可能。 
細胞活性化効果により、結合水などの細胞内水分保持されるので、シビアな湿度管理は必要なし
酸化抑制効果により、速やかに熟成(タンパク質の変性によるうま味の醸成)が進み、また、酸化により生じる変色や匂いも抑える

結果として、適度な水分抜けと筋繊維の緩みも含めて、熟成環境としてDEPAKは最適です。また、熟成のプロセスが全てスムーズに進行し、加えて熟成と伴う、酸化の進行とバクテリアの増殖が抑えられると、熟成状態での保存期間が長くなります。

DEPAKを活用することで、誰でも手軽に本当に美味しい保存熟成が可能となりますので、魚の熟成にお困りでしたらお気軽にご相談ください。

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