こんにちは、酸化オジサンです!
肉と魚の熟成は、それぞれの食材の旨味、風味、食感、そして保存性を向上させるために行われるプロセスです。今回は、様々ある熟成方法の中から肉の熟成(ドライエイジング)について詳しく説明したいと思います。
肉の熟成方法
肉の熟成には主に「乾燥熟成(ドライエイジング)」と「湿潤熟成(ウエットエイジング)」の2種類があります。
ドライエイジング(Dry Aging)は、主に牛肉を一定期間、管理された環境で熟成させることで、風味を深め、肉質を向上させるプロセスです。この方法は特に高級ステーキの調理に使われる肉に適用され、肉のうま味を引き出し、柔らかくする効果があります。以下に、ドライエイジングの詳細を説明します。

ドライエイジングの基本原理
ドライエイジングでは、肉を一定の温度、湿度、そして通気性が保たれた環境で数週間から数ヶ月間保存します。この過程で、以下の変化が肉に起こります。
水分の蒸発
肉の表面から水分(自由水)が蒸発(離水)し、内部の風味(うま味)が凝縮されます。これにより、より濃厚な風味が得られます。
酵素の作用(タンパク質の変性)
肉の中に含まれる自然な酵素がタンパク質を分解し、筋繊維が緩み、肉質が柔らかくなり、アミノ酸(イノシン酸)の増加に繋がります。
カビの生成
表面に自然にカビが生じ、このカビが酸化抑制とバクテリア(一般生菌)の抑制にも役立ちます。そして、熟成を経た肉は調理前に、表面の乾燥や酸化により変色した部分はトリミング(切除)されます。生ハムなどの場合はそのカビも風味として楽しむ場合もあります。
熟成環境の条件
温度
一般的には0℃目安の低温で保存されます。これにより、肉の腐敗を防ぎつつ、ゆっくりと熟成が進みます。
湿度
湿度は70〜85%が良いとされています。が、湿度はもっと少ない環境を利用するケースもあります。一般的に湿度によって、肉の乾燥を防ぎつつ、適度に水分が抜ける環境が求められます。
通気性
良好な空気の流れが必要です。空気が流れることで、肉の表面が均等に乾燥し、熟成に適したカビは自然発生しますが、増え過ぎません。
一方で、カビなら何でもよいわけではありません。風味の悪化や有害なカビの発生による食中毒の可能性ももたらすカビもあります。イタリアのパルマのパンチェッタなどの生産者はパルマ川流域の微生物がいないとパンチェッタに必要なカビが育たない為に、他の地では製造できないと生産者は言います。かたや、神戸(阪神間)の六甲山系から吹き降ろされる風(「六甲おろし」と言われています)に素材をあててカビを付けてドライエイジングを行うマニアックなシェフもおられます。
熟成期間
熟成期間は、素材の体内エネルギー(ATP/アデノシン三リン酸)の量によって異なります。以下は一般的な熟成期間のイメージです。
短期間熟成
熟成と言うより、ATPの消費により、死後硬直が解除された状態(食べられる状態・食肉店やスーパーなどの店頭に並んだ頃の状態)
中期間熟成
約4〜6週間程度の熟成。タンパク質の変性により、風味・うま味が濃くなり、肉質もより柔らかくなります。
長期間熟成
約1ヶ月以上の熟成。ナッツやチーズに似た複雑で濃厚な風味が生まれることもあります。うま味が明らかに強くなります。但し、一歩間違えると腐敗臭や酸化臭が出てしまうことがあります。

注意点
コスト
ドライエイジングには仕入れた商品(肉)を寝かす時間というコストがかかります。また、熟成中に肉の重量が減少し、表面カビや硬化や酸化変色などにより切除する部分も多くなり、歩留りが悪くなります。
リスク
環境が適切に管理されていないと、肉が腐敗するリスクがあります。また、表面に生じるカビが過剰に発生すると、風味が悪くなることもあります。加えて、酸化による変色も酸化臭も生じて行きます。
まとめ(DEPAK熟成👍)
ドライエイジングは、丁寧な管理が求められますが、良い結果が得られた時には、非常に高品質で特別な美味しさを楽しむことができます。
熟成は、素材をより美味しくするための伝統的な技術であり、それぞれの方法には長年培われた独自の利点と各々に良い特徴があります。
DEPAKをドライエイジングに活用すると、熟成に伴うリスクを抑えながら、安全で安心な熟成が可能となります。
実は、酸化は熟成を邪魔しているのです。そこでDEPAKの酸化抑制効果を活用することで、熟成は早く進みます。
この事は、熟成に伴う時間というコストが抑えられるというコストメリットも導きます。
また、酸化により生じる変色や匂いも抑えることが出来るので、変色により切除(トリミング)する部分が極端に少なくなります(歩留まりが向上)。
酸化の進行とバクテリアの増殖が抑えられることは、都合良く(笑)熟成(美味しい)状態での保存期間が長くなり、廃棄ロスの削減にも貢献しています!
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