~アウト老エンジニアのたわごと~
第3話に進む前に、ちょっと寄り道して「2.5話」を挟ませてください。
ここらで一度、筆者である“アウト老”本人(?)について軽く自己紹介をしておこうと思いまして。
とはいえ、アウト老は架空の人物。あくまで職場にいる60代メンバーの“総意の化身”みたいな存在です。
まあ「誰が書いてるか」なんて、職場ではすでにバレバレなんですけどね。隠す気、ゼロ。
さて、前回「第2話」を公開したあと、どうやら女性社員のひとりがこうつぶやいたらしいんです。
──「アウトローって、何?」
その瞬間、私は思わず近くにいた男性リーダーに聞いたんです。「え、そんなの知らない人いるの?」って。
そしたら返ってきた答えがまた衝撃的で。
「知ってますよ。外角低めのことでしょ?」
……元・野球部、恐るべし。
いや違う、確かに“アウトロー”は外角低めだけど!今ここで言ってるアウトローは、無法者のほうでしょ、無法者。
広辞苑先生も「法律や社会秩序を無視する人。無法者。犯罪常習者」とご丁寧に定義されています。
映画の世界で言えば、「夕陽のガンマン」のクリント・イーストウッド、「大脱走」のスティーブ・マックウィーン、「明日に向かって撃て」のポール・ニューマンとロバート・レッドフォード──あの辺の“ならず者ヒーロー”たちです。辞書には載ってませんが、私にとっては“義賊”のイメージもちょっとあります。弱きを助け、強きをくじく。カッコいいじゃないですか。
そして“アウト老”というワードは、私の敬愛する みうらじゅん氏が生み出した造語で、「はみだし老人」という意味なんですよ。マイブーム、ゆるキャラの生みの親。京都出身の、あの独特のユルさをまとった巨匠です。
そんなわけで、時代は変わり、昭和は遠くなり、若い社員が「アウトローって何?」と言い出す世の中に私は軽くため息をつくわけです。でもね、それでもめげずに、新しい商品や技術づくりに挑み続けるのがアウト老の流儀。生きてきた証を残すには、やっぱり何か“創造し続ける”しかないんです。
新商品を世の中に出す瞬間って、本当にエキサイティングなんですよ。もしそのアイデアが世の中にまだ存在しなかったものなら……あの世に行ってしまいそうなほどの恍惚感さえある。いや、行っちゃダメだけど。
ちなみに「あの世に行く」は仏教、「来る」はキリスト教。
そんなわけで、今回はちょっと横道にそれた“余計な1話”でした。次回はちゃんと本編に戻って「ファンのファンになる」をお届けします。お楽しみに。

~アウト老エンジニアのたわごと~
こんにちは。サンテツ技研の“アウト老エンジニア”です。
みうらじゅんさんのファンでもある私は、還暦をとうに過ぎた今、“はみ出し老人”を目指して、日夜(?)技術開発と取っ組み合っています。
思いどおりになんていかない。でも、それがまた楽しいんです。
そんな“迷走気味の開発ライフ”の裏側を、ちょっとだけお見せしたいと思います。